“かたぐるま”をしてもらう日
「ねえぱーぱ。
りおねじゃねーろおりんぴっく(リオデジャネイロオリンピック)でやっていたさ、こうやってだきついてうえにのったりするやつあったでしょ?あれなんていうんだっけ??」
5月のある日のこと。娘がおもむろに、こんなことを聞いてきました。
「ん?レスリングのこと??」
「レスリングか~。●●ちゃん、レスリングやってみたいの・・・。」
普段、家でも保育園でもひたすら絵をかくこととレゴブロックに熱中し、
将来の夢を聞かれると3歳くらいから一貫して、
「シンデレラ!」
と答える娘の意外な申し出。
私は少々驚きましたが、
本人の「やりたい!」という気持ちを尊重し、早速インターネットで教室を探して体験を申し込みました。
そして6月初めの日曜日、娘と向かった先は隣の駅にある某有名大学。
この大学の体育会レスリング部が開催する「ちびっこレスリング」クラブに、まずは体験参加です。
驚いたのは、このクラブの練習の内容と、その運動量の多さ。
全員で礼をした後、ランニングから始まり、ダッシュ・うさぎ跳び・アヒル歩き・アザラシ歩き・前転・後転・側転・倒立・腕立て伏せ・・・といった、体力づくりのメニューが延々1時間、続きます。
その後は2人組になってのタックルやスパーリングなどをやはり1時間。
時折、ゲーム的な要素も交えながら合計2時間、未就学児を含めた子どもたちがビッチリと動き続けます。
指導してくださるのは、元オリンピックメダリストのコーチを始めとした、この大学の体育会レスリング部の指導陣。
ひとりひとりへの暖かい眼差しを前提としながら、厳しく指導をされていました。
もうひとつ驚いたのは、普段は保育園の行き帰りでも未だに「だっこ」をせがみ、当然、生まれてこの方こんなに激しい運動を経験したことのない娘が、顔を真っ赤にしながら真剣な顔でこの練習に食らいついていること。
わが子に対して初めて「頼もしさ」を感じました。
体験終了後、娘に
「どうする?やってみるの?」
と聞くと、
「やる!」
と、きっぱり。
これにより、娘の(父親の教える水泳やゆる体操を除いた)初めての習い事は「レスリング」に決まりました。
ちなみに、30名くらいの会員の中で未就学児は娘を含めて4名くらい。
そして、会員全体の中で娘以外は全て男の子、という環境の中でのスタートです。

帰り際、娘に
「ところでどうしてレスリングをやりたいと思ったの?」
と聞くと、
「(テレビで)“よしださおり”をみてかっこいいとおもったから・・・」
との答え。
娘の口から吉田沙保里選手の名前が出るのは初めてですが、実はここには意外な伏線がありました。
昨年春に行われた、武術協会の宴席でのこと。
スピーチの時に、このブログの記事でも取り上げた、娘の負けず嫌いな性格を示すエピソードを紹介したところ、それを聞いておられた高岡英夫先生が一言
「それは将来の吉田沙保里だ・・・」
と言われました。
この時は、毎回続く私の“親馬鹿スピーチ”を窘めることもなく、娘の特徴的な性格を、わかりやすい例を挙げながらポジティブに評価してくださった高岡先生の暖かいお心遣いに対し、心の中で深く感謝をしましたが、
一方、「お絵かきとレゴブロック」の毎日を送る娘の様子からは「実現の可能性のある話」と捉えるのは難しく、
娘にこの話や「よしださおり」の名前を伝えることもありませんでした。
ただ、今回娘が、親からの“刷り込み”が全くない中、100%自分の意志で
「吉田沙保里選手に憧れてレスリングを習い始めた」
という事実に直面し、私の中で高岡先生の言葉がにわかに現実的な存在感をもって輝き始めました。
「吉田選手みたいに、本当にオリンピックで金メダルをとったらどうしようか・・・?」
親馬鹿パパの妄想は拡がります。
「そうだ!試合会場で肩車でも、してもらおうか・・・」
「これまで散々(そして今でもたまに)肩車をしてあげたんだから、1回くらいお返しをしてもらわなきゃな・・・」
入会後2か月弱の練習で、早くも太もも周りの筋肉がしっかりと成長し始めた娘。
その頃、70歳前後の小柄な老人となっているであろう私のことなどはきっと、
軽く“ひょい”と持ち上げてしまうことでしょう。
りおねじゃねーろおりんぴっく(リオデジャネイロオリンピック)でやっていたさ、こうやってだきついてうえにのったりするやつあったでしょ?あれなんていうんだっけ??」
5月のある日のこと。娘がおもむろに、こんなことを聞いてきました。
「ん?レスリングのこと??」
「レスリングか~。●●ちゃん、レスリングやってみたいの・・・。」
普段、家でも保育園でもひたすら絵をかくこととレゴブロックに熱中し、
将来の夢を聞かれると3歳くらいから一貫して、
「シンデレラ!」
と答える娘の意外な申し出。
私は少々驚きましたが、
本人の「やりたい!」という気持ちを尊重し、早速インターネットで教室を探して体験を申し込みました。
そして6月初めの日曜日、娘と向かった先は隣の駅にある某有名大学。
この大学の体育会レスリング部が開催する「ちびっこレスリング」クラブに、まずは体験参加です。
驚いたのは、このクラブの練習の内容と、その運動量の多さ。
全員で礼をした後、ランニングから始まり、ダッシュ・うさぎ跳び・アヒル歩き・アザラシ歩き・前転・後転・側転・倒立・腕立て伏せ・・・といった、体力づくりのメニューが延々1時間、続きます。
その後は2人組になってのタックルやスパーリングなどをやはり1時間。
時折、ゲーム的な要素も交えながら合計2時間、未就学児を含めた子どもたちがビッチリと動き続けます。
指導してくださるのは、元オリンピックメダリストのコーチを始めとした、この大学の体育会レスリング部の指導陣。
ひとりひとりへの暖かい眼差しを前提としながら、厳しく指導をされていました。
もうひとつ驚いたのは、普段は保育園の行き帰りでも未だに「だっこ」をせがみ、当然、生まれてこの方こんなに激しい運動を経験したことのない娘が、顔を真っ赤にしながら真剣な顔でこの練習に食らいついていること。
わが子に対して初めて「頼もしさ」を感じました。
体験終了後、娘に
「どうする?やってみるの?」
と聞くと、
「やる!」
と、きっぱり。
これにより、娘の(父親の教える水泳やゆる体操を除いた)初めての習い事は「レスリング」に決まりました。
ちなみに、30名くらいの会員の中で未就学児は娘を含めて4名くらい。
そして、会員全体の中で娘以外は全て男の子、という環境の中でのスタートです。

帰り際、娘に
「ところでどうしてレスリングをやりたいと思ったの?」
と聞くと、
「(テレビで)“よしださおり”をみてかっこいいとおもったから・・・」
との答え。
娘の口から吉田沙保里選手の名前が出るのは初めてですが、実はここには意外な伏線がありました。
昨年春に行われた、武術協会の宴席でのこと。
スピーチの時に、このブログの記事でも取り上げた、娘の負けず嫌いな性格を示すエピソードを紹介したところ、それを聞いておられた高岡英夫先生が一言
「それは将来の吉田沙保里だ・・・」
と言われました。
この時は、毎回続く私の“親馬鹿スピーチ”を窘めることもなく、娘の特徴的な性格を、わかりやすい例を挙げながらポジティブに評価してくださった高岡先生の暖かいお心遣いに対し、心の中で深く感謝をしましたが、
一方、「お絵かきとレゴブロック」の毎日を送る娘の様子からは「実現の可能性のある話」と捉えるのは難しく、
娘にこの話や「よしださおり」の名前を伝えることもありませんでした。
ただ、今回娘が、親からの“刷り込み”が全くない中、100%自分の意志で
「吉田沙保里選手に憧れてレスリングを習い始めた」
という事実に直面し、私の中で高岡先生の言葉がにわかに現実的な存在感をもって輝き始めました。
「吉田選手みたいに、本当にオリンピックで金メダルをとったらどうしようか・・・?」
親馬鹿パパの妄想は拡がります。
「そうだ!試合会場で肩車でも、してもらおうか・・・」
「これまで散々(そして今でもたまに)肩車をしてあげたんだから、1回くらいお返しをしてもらわなきゃな・・・」
入会後2か月弱の練習で、早くも太もも周りの筋肉がしっかりと成長し始めた娘。
その頃、70歳前後の小柄な老人となっているであろう私のことなどはきっと、
軽く“ひょい”と持ち上げてしまうことでしょう。
